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陶芸を中心に愛犬柴犬、趣味の家庭菜園、釣り、テニスなどを画像入りで書いていました。今は花・自然・テニス・釣り・料理・旅行などを日記風に綴っています。

句集『ひじき礁』を読んで
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                     (画像は「季寄せー草木花」朝日新聞社刊より)

         * ものゝ皆茎立てるかな海女の村  竹田ひさの


昭和39年の毎日俳壇賞(高野素十選)を受賞した、竹田ひさのさんの句です。
俳壇賞は、年間のたくさんの応募句から、ただ一句選ばれる秀句なのです。

上掲句の季語「茎立ち」(くくたち・くきだち)は、春がたけるころになると、冬野菜として畑にあったダイコン、カブ、その他の菜類が高く茎を立てて蕾をつけ花を開くこと(「季寄せー草木花」より)だそうです。

 ひじきの口開け時にもなると、海女の村は家族総出で磯へ出てゆく。
ひじきを刈り、茹でて、筵に干し終わるころになると、冬の間せっせと食べた畑の菜類は、もう茎立っていたという句。「ものゝ皆」に、晩春の海女の村の生活が活写されているように、私は思いました。

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竹田ひさのさんは、和カフェ「南の麦」のご主人のお母さまです。
句集『ひじき礁』は、先日のうたごえ喫茶の会で、ご主人より頂戴いたしました。

竹田ひさのさんは白浜町富田に生まれ、奈良師範卒業後、郷里の富田中学校をへて、すさみ中学校、南白浜小学校、椿小学校で、教鞭をとられました。

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ひじき礁(いわ)は、「かせぎ」という磯だと南の麦のご主人にお聞きました。
釣り餌の「えさよし」さんに立ち寄って、場所を確かめました。
白浜町富田の袋あたりから、見草までの間の磯でした。

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磯への下り口には、警告の看板がありました。
磯の物は、漁業権のある人しか採れません。

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句集『ひじき礁』の、鹿尾菜(ひじき)を詠んだ句をご紹介します。

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              * 口開や目当の礁は渦の下  

              * 波荒き一礁鹿尾菜刈り残し  


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              * 渦巻けば渦のまにまに鹿尾菜かな

              * 満潮の時の鹿尾菜は立ち上がる
          

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              * 手を入るゝ鹿尾菜の潮のほの温し

              * 刈跡にふくるゝ潮や鹿尾菜刈る


句集に掲載されている随筆は、俳誌『芹』に掲載された文章で、とても感動的でした。
ひさのさんは、53年の短いご生涯でした。

「あとがき」で、ひさのさんのご主人は

 急逝の前日、学校を早退し(教職生活で初めてのことでは?)、仆れるように寝込んだであろうその枕辺にも置かれてあった俳誌と句帖が、妻ひさののすべてを物語っていたように思います。

と、述懐されています。

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4月になれば、「かせぎ」の磯は、鹿尾菜の口開けで賑わうことでしょう。

     2019.2.5           くまお

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