陶芸を中心に愛犬柴犬、趣味の家庭菜園、釣り、テニスなどを画像入りで書いていました。今は花・自然・テニス・釣り・料理・旅行などを日記風に綴っています。

演劇「屋根」を鑑賞して
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3月14日(月)、田辺市紀南文化会館で、倉本 總作・演出の「屋根」を鑑賞しました。
めだかの学校のグループ割りに加えてもらいました。
演劇鑑賞は数十年振りです。
屋根」という演題に魅かれました。
かつて観たイタリア映画「屋根」が、印象深く蘇ってきたからです。
家を持ちたい若夫婦が、一晩のうちにブロックを積んで家を造る物語です。
屋根のない家は、家として認められない」のです。

私は大学時代に演劇鑑賞会のアルバイトをしていました。
チケット売りや終演した舞台の片づけなどの役割です。
 (クマノミさんは大学の演劇部に所属していたそうです。)
和歌山県に赴任してからも、和歌山市の演劇鑑賞会に加入して、車で通っていました。
田辺市に鑑賞会が出来てからもしばらく参加しておりましたが、ある時期に演劇が嫌いになって遠ざかっていました。

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今回まず驚いたのは、大正12年から平成8年までの日本の家族史を、29のシーンで一気に辿った舞台演出でした。
霧が立ち込める深い森のカーテンをスクリーンとして使いながら、舞台役者が走り回り、時代の変遷を表現しました。
80年の家族史を観て、観客がそれぞれの自分の家族史を振り返ったに違いありません。
観客の共感を呼んだシーンのひとつ、「立腹数え唄」(倉本 總作詞)です。

〽 一つとせェ                    
   人がとびつき すぐ飽きる             
   新品買えちゅう 腹が立つ             
 

〽 二つとせェ
   古くなったら 直さんで                   
   流行遅れに 腹が立つ

〽 三つとせェ
   みたいドラマの いゝとこで
   CM入りよる 腹が立つ

〽 四つとせェ
   よく読めちゅうから 説明書
   読んでも判らん 腹が立つ
  

〽 五つとせェ
   いつも何かを 変え買えと
   浪費をすゝめる 腹が立つ
        

〽 六つとせェ
   昔話をしてやると
   古いと云いよる 腹が立つ

〽 七つとせェ
   何がそんなに おかしいか
   テレビのお笑い 腹が立つ

〽 八つとせェ
   ヤセロヤセロと みな云うが
   痩せれば病気じゃ 腹が立つ

〽 九つとせェ
   今夜もコンビニの 晩めしで
   爺ちゃん旨いべと 腹が立つ

〽 十とせェ
   としでもまだわしゃ イケルノニ
   ごきぶりあつかい 腹が立つ

                       (「屋根」パンフレットより)

屋根」の上でうたわれた唄「もずが枯木で」も、私の心に沁み入ってきました。

 一、 もずが枯木で鳴いている
     おいらは藁をたたいてる
     綿びき車はおばあさん
     コットン水車も廻ってる

 二、 みんな去年と同じだよ
     けれども足んねえものがある
     兄んさの薪割る音がねえ
     バッサリ薪割る音がねえ

 三、 兄んさは満州へいっただよ
     鉄砲が涙で光っただ
     もずよ寒いと鳴くがよい
     兄んさはもっと寒いだろ

農家の四男だった私の父と、八人の子供を生み育てたわたしの母を思いました。
そして、同じ屋根の下で育った兄弟姉妹のことを。
私の家族には戦死したものはいませんが、父親が戦死した同級生が何人もいました。

この演劇のテーマはなんであったのか?
作者の言葉「屋根は見ていた」抄の最終部を引用します。(パンフレットより)

 そうだ、今から八十年前
 ばさまが秋田から嫁に来た晩
 二人は貧しいが倖せだった
 何人も子供を作り 一人ずつ愛した
 ひもじい日もあったがそういう夜は
 みんなで屋根に上り歌をうたった
 わしらはあの頃満ち足りていた
 何の文句も希みもなかった
 あの日がずっと続けばよかった
 なのに世間はどうしてあれ以上の
 便利や豊かさを際限なく求めたのか
 二人はいつか、もうしわだらけの
 互いの手をしっかり握り合っていた

 二人の一生をずっと見てきた
 屋根だけが星の光の中で
 二人の想いを知りそっと涙した

「便利や豊かさを際限なく求める」心が、世の中をどのような方向へ導いてしまうのか?
大切なものを失っていないか?
作者が私達に問いかけていました。

今夜は久しぶりに、とてもいい演劇鑑賞をしました。

     2016.3.14            くまお

追想「ふらの」(2012年)

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